故郷へのUターンと、納屋のリノベーション
オクムサ・マルシェをオープンする前、私たちは東京で仕事をしていました。
2010年に結婚してから夫婦で里帰りをする機会につけて、東京出身の妻の方から「越生町周辺っておもしろい」「こんな環境の良い所で暮らしたい」という言葉があふれていきました。
そう言われていると、私も徐々に、
自分は素晴らしい環境で生まれ育ったのだという実感がわき上がり、
二人で越生町周辺である奥武蔵の魅力にどっぷりはまっていくことになりました。
奥武蔵のフィールドを巡るようになり魅力を発見・再発見していると、
この素晴らしさを多くの人に発信したい!共有したい!という気持ちが溢れてきました。
奥武蔵を楽しむ途中で、お腹を満たしたりコーヒーブレイクをしたり、
気軽に立ち寄れる目印になるような場所で情報発信も行っている、
それが最初に想像した「オクムサ・マルシェ」のコンセプトです。
2013年の秋、越生町内で身内から眠っていた納屋を借りられることになり
具体的にこの計画を始動することになりました。
相談したのが、友人の壱弐参建築設計事務所の市川純一さん。
私たちのやりたい事を伝えスケッチに落としこんでくれました。
このスケッチを見たとたんに、一気に気持ちが高ぶり現実化への行程が加速化していきました。
現状は納屋にしか見えない建物がリノベーションでここまで素敵な空間に変わるのか!
と、本当に驚きでした。
2014年の1月から納屋の片付けが始まり、3月から本格的に施工がはじまりました。
市川さんが設計&現場監督で、自分達でできるところは、できるだけDIYで、
プロに依頼する所は徹底的にプロへまかせるなどと段取りを組んで進めていきました。
DIYは初めてだったのですが、そこで活躍してくれたのが私たちの友人たち。
地元の友人、職場の友人、シブヤ大学の友人、オクムサ・マルシェのプロジェクトのフェイスブックを見て手伝いに来てくれた人、親戚など、多くの方々の力でお店が出来上がっていきました。
3月にリノベーションをスタートしてから3ヶ月、6月にお披露目会を行う事ができ、
お世話になった人たちやご近所の人たちを招待しました。
その後は最終の施工と営業許可の取得を行い、
2014年7月20日に無事オープンすることとなりました。
お店の空間の最大の魅力は、奥武蔵の自然の中にいるかのような、
大きな窓から見える景色と木をふんだんに使った内装です。
場所柄、サイクリストやハイカーも多い事から床は土間打ちで気兼ねなく入れるような仕様にしています。
2016年には、同じく市川さん設計のテラス席も完成しました。
オープンしてから2年後、私は勤めていた東京の会社を退職し(妻は先に退職しお店に専念していた)越生町にUターンしました。
この計画がなければ、Uターンへの道のりは遠かったなと実感しています。
現在7年目に入り、県内外の様々な場所からお客様が訪れてくださいます。
奥武蔵の魅力発信に少しは貢献でき、ゆくゆくは私たちのように越生町に暮らしたいという人たちが多く現れてほしいという期待を持っています。
カフェを本業として継続していく大変さも味わいながら、
今後も越生町での仕事と暮らしを楽しく続けていきたいと思います。